虫歯や歯周病、事故や外傷などの原因で歯が無くなった方、入れ歯の装着感や不安定さに不満を感じている方にとって、インプラントは失った歯を一本から補うことができる優れた治療方法です。ただし、インプラント治療は、骨量や歯周状態などの個人差によって適応が異なる場合があります。治療前に、歯科医師とのカウンセリングや検査を受けることが重要です。
当院の院長は、審美領域でも世界的に有名な米国のロマリンダ大学インプラント科で3年間学び、現場での豊富な症例数を経験してきました。インプラント研究にも長年従事し、多数の論文を発表しています。また、インプラントは世界的なシェアを誇るメーカーの製品を使用し、歯科用CT、拡大鏡やマイクロスコープなど充実した設備を使用して手術を行いますので、安心してお任せください。

インプラント手術前の骨誘導再生で土台作り

現状の骨量が少なく多くの骨が必要となるケースがあります。その場合は、インプラント手術前の土台作りとして骨誘導再生を行う必要があります。骨誘導再生とは欠損した歯槽骨や顎骨などの骨組織の再生を促し、インプラントを埋入するための土台となる骨を作ります。補填する骨は人工骨、自家骨があります。増骨部が自分の骨の一部として周囲に馴染むまで約3～6ヵ月程度。範囲が広い場合は10～12ヵ月程度の時間が必要になるケースもあります。また、術後感染をきたすと増骨部のみならず周囲骨を失うリスクもあるため、術後は創部を清潔に保ち、定期的な来院が必要になります。

上顎には上顎洞という最大の空洞（副鼻腔）があります。上顎洞底部は臼歯の根尖に近接しているため、上顎臼歯部欠損に対してインプラント埋入を行う際、どうしても骨の厚みが取れないことがあります。それに対し上顎洞底部に骨を足し厚みを確保する方法がサイナスリフト（側方アプローチ）です。サイナスリフトはソケットリフトにくらべ侵襲が大きく患者さまの負担が多いことがデメリットとして挙げられますが骨を足せる量が多いので、骨がとても薄い場合でも対応することができます。

ソケットリフトとはサイナスリフト（側方アプローチ）が横から上顎洞底部に骨を足すのに対し下から骨を足す術式です。手術の流れはインプラントの埋入と似ており、ドリルで骨を削った穴からアプローチしますので、小さな外科処置で骨を足すことができます。ソケットリフトと併せて、骨をずらした部分に骨補填を行います。

サージカルガイドはインプラントを正しい方向に埋め入れる際に補助的に用いられるプラスチックでできたガイドのことです。事前にCT撮影を行って採得した歯型および顎骨の3Dデータをもとに、インプラントを埋め入れる方向をコンピューター上でシミュレートします。手術時に、予定したインプラントの角度、深度、位置を再現する大きな手助けとなり、より精密なインプラント手術ができます。